正しい呼吸の効果とは?【BREATH~呼吸の科学】

身体にも心にも呼吸法が大切だと耳にしたけど本当?

こっしー

呼吸は酸素を取り込むだけではなく、正しい呼吸で心身ともにリフレッシュすることができます。

「だれはてブログ」では”誰かの『?』に寄り添う”を目的に運営しています。
今回の記事はこんな人に読んでもらいたいです。

  • 正しい呼吸法とは?
  • 呼吸で現代病の予防ができると聞いたけど本当?
  • 心と体をリラックスさせたい
  • 【BREATH 呼吸の科学】がどんな本か気になる

呼吸には交感神経と副交感神経のバランスを整えると聞いたことはありましたが、具体的な方法や具体的な効果までは理解できていませんでした。
本書を通して、正しい呼吸の方法や効果がわかり、現代人の問題点なども深く理解することができました。
人は生涯で約6億7000万回もの呼吸をするそうです!食生活に気を遣っている人は良く聞きますが、一般的な人の食事回数は生涯で1万回に満たないんです。食事と同じように体内に取り込み、さらには食事よりもはるかに回数の多い「呼吸」に気を遣って、呼吸の効果を最大限に活用したいですね。
私と同じように、呼吸に少しでも興味のある方、少しでも体の改善に繋げたい方は是非最後まで読んでみてください。

この記事では、書籍【BREATH 呼吸の科学】より出典・引用して書いております。
本書の魅力や活用方法などにも触れ、個人の感想も記載しています。

※本書にも記載されている通り、呼吸法は身体のバランスを保つ手段や不調の予防策として用いることが最適です。呼吸法だけですべてが解決されるわけではないことはご理解ください。

目次

概要

著 者:ジェームズ・ネスター(訳 近藤隆文)
出版社:早川書房
発行日:2022年6月8日
貢 数:360貢

BREATH 呼吸の科学 [ ジェームズ・ネスター ]

価格:2,530円
(2023/7/12 07:55時点)
感想(2件)

全米77万部突破!40か国で翻訳刊行。
あらゆる現代病に終止符を打つ「失われた呼吸の技術」とは?

本書の魅力

本書はジャーナリストの著者が実際に体験したものをもとに書かれていることが最大の魅力です。
呼吸法と聞くと、非科学的なもので目に見えないからこそどこか怪しげでスピリチュアルな感じがしますよね。しかし、著者自らが実験台にもなり、数々の実験データをもとに記されているため「ちょっと試してみようかな」と心惹かれる内容になっています
巻末には具体的な呼吸法も記されており、呼吸の奥深さを知ったあとすぐに実践できるものとなっています。

不眠・肥満・高血圧・喘息・ADHDなどのあらゆる現代病に対して、正しい呼吸で予防もしくは快方に向かうことができるとあります。ただ単純に「正しく呼吸しとけばすべてOK」というわけではなく、なぜ現代病と言われる病が増えているのかなぜ呼吸が現代病を改善してくれるのかを実験データや古代人との比較で示してくれています。

なぜ現代人は呼吸が下手なのか

原因は進化の過程にある

正しい呼吸法を知る前に、あなたは正しい呼吸が出来ていると思いますか?
著者いわく、現代人は呼吸が下手な生物だと問題提起しています。
その原因はヒトの進化の過程にあるようです。

ヒトは進化の過程で、火を扱うことが可能となり、食べ物を調理し味わうことを覚えました。
調理したものは柔らかく、一度の食事で多くのカロリーを摂取することが可能になり、柔らかく高カロリーな物を摂れば摂るほど脳は大きく成長してきました

急速な脳の肥大化に伴い、必要なスペースを副鼻腔や口、気道のある顔の前部から奪うことになります。
食べ物の風味を味わうために長かった鼻は短くなり、顔が平たくなっていったそうです。短くなった鼻は空気のろ過効率が悪く、体が空気中の病原菌にさらされやすくなりました。
要するに、脳の発達と引き換えに口や喉を塞ぎ、呼吸のしやすさを失ったということです。

現代人の問題点

①常習的な口呼吸

慢性的な鼻閉塞で悩む人は人口の約40%にのぼり、約半数は常習的に口呼吸をしているそうです。
常習的な口呼吸では行内環境の悪化だけではなく、さまざまな体の不調が現れ、現代病ともいわれるうつ症状やADHDにも繋がりかねないという研究結果も出ています。

口呼吸だと空気中の細菌や塵のろ過ができないため、風邪をひきやすく、アレルギーにもなりやすいことがわかります。

②浅く、早い呼吸

現代人は呼吸が浅く早いため、酸素過多(過呼吸)の状態になっているそうです。
浅く早い呼吸により、二酸化炭素が体内から過剰に放出されてしまいます。多くの人は酸素が人体には一番重要だと考えます。しかし、実は二酸化炭素こそが酸素にまして根本的な生命体の成分なんだそうです。人体には酸素の100倍もの二酸化炭素が存在しており、血液を含む体液の酸性・アルカリ性の調整をしてくれています。体内のすべての細胞が働くのは血液pHが7.4のときで、アルカリ性と酸性の間(弱アルカリ性とも言われる)。
単純に、二酸化炭素を放出しすぎてしまうと体内のバランスが崩れて免疫力が下がり、さまざまな病気のリスクが増します。

③咀嚼回数の減少

ヒトは進化の過程で調理することを覚え、食べやすく高カロリーの物を短時間で摂取できるようになりました。その反面、咀嚼回数が減り、顎周りの筋肉が衰退しています。
筋肉が衰退すると口(下顎)が小さくなり、必然的に気道が狭くなり呼吸がし難くなるのは必至。
SAS(睡眠時無呼吸症候群)は肥満の男性が多いイメージですが、痩せている人や小顔の人にも少なくないようです。
現代のイケメンや美女と言われている人は小顔で口(下顎)の小さい人が多いですが、「呼吸」で考えると進化ではなく退化してしまっているような気がします。

正しい呼吸とその効果とは

正しい呼吸とは、鼻呼吸で呼吸回数を減らすこと

鼻呼吸の効果

口呼吸を意識的に鼻呼吸に変えるだけで、免疫機能が上がり、身体機能が改善することは言わずもがご理解いただけると思います。
免疫機能などは一酸化窒素の量に大きく左右されるようで、鼻呼吸をするだけで一酸化窒素の量を6倍にすることができるとのこと。

一酸化窒素とは?

血管を拡張し血行を促進、酸素を細胞に送り込む働きをする。
動脈硬化の抑制や免疫機能の向上に役立っている。
化学式はNO。

一酸化窒素はあまり聞きなれない気体ですが、正常な血液の働きをするためには重要であることが理解できました。
東北大学大学院生命科学研究科の研究では、一酸化窒素が細菌感染した際の細菌の排除に役立っているという研究結果を示しています。
『鼻は体の門番』と言われるだけに、体に余計なものを入れないように細胞レベルで管理しているんですね。

呼吸回数を減らす効果

もっとも効率の良い呼吸リズムは5.5秒で吸い、5.5秒で吐くことだそうです。
現代人の息を吸って吐く時間の平均は3.3秒で、1分間に18回も呼吸をしていることになります。
5.5秒の呼吸だとちょうど1分間に5.5回の呼吸です。現代人の呼吸回数を考えると、現代人が過呼吸と言われることも納得ですね。

呼吸回数を減らすことにより、二酸化炭素濃度を高く保ち、必要な二酸化炭素の放出を防ぐことができます。②浅く早い呼吸にあるように、体内の二酸化炭素濃度が低下すると免疫機能の低下とさまざまな病気のリスクが増します。

さらに、ゆっくりとした呼吸にはリラックス効果があります。
たっぷりと息を吸い込み、ゆっくり静かに息を吐きだすことにより副交感神経が優位になります。人は交感神経と副交感神経をスイッチにように切り替えているわけですが、副交感神経は簡単に言うと「お休みモード」です。副交感神経が優位になると体がリラックスし、血圧と心拍数の低下や商家の手助けをしてくれます。
「副交感神経を優位にすることは良いことだ」と言われてるのは、現代人が浅く早い呼吸の影響で交感神経優位の時間が長く、常にストレスにさらされているからです。つまり、交感神経と副交感神経のバランスが大切ということです。
本書には、まだ推測ではありますが、戦争後などに起きるPTSD(心的外傷ストレス障害)は精神的なものではなく「交感神経の不調」ではないかと書かれています。

呼吸法の紹介

本書の付録にはいくつかの呼吸法が記載されています。
そのなかから、私が普段から実践している呼吸法を2つ紹介します。

共鳴呼吸法(Coherent Breathing)

コヒーレント・ブリージング(整った呼吸法)とも呼ばれ、もっとも重要度の高い、基本的な技法です。

◎目的
心臓、肺、血行を整合性(コヒーレンス)がとれた状態を目指す。

◎効果
身体のシステムが最高率で機能するようになる。

◎方法
1.背筋を伸ばして座り、肩とお腹の力を抜き息を吐く。
2.5.5秒かけて穏やかに息を吸い、お腹の底に空気を満たしながらお腹を膨らませる。
3.息を止めずに5.5秒かけて静かに吐き、肺を空にしながらお腹をへこませる。
4.このループを少なくとも10回繰り返す。

4-7-8呼吸

身体に深い弛緩状態をもたらす効果があります。
この技法は有名で知っている方も多いと思います。
著者も長いフライトで眠りにつくときに役立てているそう。

こっしー

私も目が冴えて寝付けないときなどに役立てています。

◎目的
交感神経を鎮める。

◎効果
身体に深い弛緩状態をもたらし、興奮や緊張を和らげてくれる。

◎方法
1.息を吸い、口からシューという音とともに吐く。
2.口を閉じ、頭の中で4つ数えながら、鼻から静かに息を吸う。
3.息を止めて7つ数える。
4.すべての息を、8つ数えながらシューという音とともに口から息を吐きだす。
5.少なくとも4回繰り返す。

まとめ

いかがだったでしょうか。
【BREATH~呼吸の科学】の紹介と正しい呼吸の効果について触れていきました。


人間は進化(脳の肥大化)と引き換えに上手に空気を取り込めなくなってきています。
原因は、柔らかく高カロリーな食べ物を摂取してきたからです。脳は呼吸に必要なスペースを奪い、咀嚼しなくなったことにより下顎が小さくなり気道が狭くなってしまいました。
慢性的な鼻閉塞により口呼吸が常習化しており、常にウィルスやアレルギーに悩まされています。
さらに、ストレス社会により呼吸は浅く早くなり、うつ症状やADHDなどにも悩まされ、まさに呼吸が原因で生きづらい社会になっていると本書を読んで私は感じました。

ストレスの多い現代社会をうまく生きていくには、正しい呼吸で心身を整える必要があります。
まずは口呼吸をやめること。感染症や花粉症などのアレルギーを防ぐ。
深くゆったりとした呼吸を意識し、必要な二酸化炭素を保つことにより免疫機能の低下を防ぐ。
交感神経優位の時間が長く、常に緊張とストレスを抱えている現代人は、正しい呼吸で自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)を調整する。

咀嚼回数を増やし、顎周りの筋肉の低下を防ぐ。理想は、ガムを毎日2時間奥歯でしっかりと噛むこと。
筋肉の低下を防ぐことにより気道を確保でき、SAS(睡眠時無呼吸症候群)などの現代病の予防ができる。

本書を通じて呼吸の奥深さを改めて実感しました。
この記事で紹介した内容はほんの一部です。興味のある方はぜひ【BREATH~呼吸の科学】を読んでみてください。

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感想(2件)

今回も誰かの『?』に寄り添うことができたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆自己紹介
名前:こっしー
職業:会社員
社員数3500名ほどの企業で現職のマネージャーをしています。
10年以上、自動車業界に携わってきました。
二児の父。愛犬家。
◆趣味:読書
年間50冊以上のビジネス書を読み漁っています。長い通勤時間で読むので、4日で1冊ペースです(目標)。
◆ブログのテーマ
「だれかのはてなに寄り添う」をテーマにブログを運営しています。長いこと管理職をしている私の経験と知識が”だれかの疑問や不安の解消””学びのサポート”になれば幸いです。

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